吉祥寺・井の頭公園の貸しギャラリー

宮内喜美子展 〈膨大な消滅してゆくもの〉

 

●日時
2012年4月18日(水)~30日(月)火曜日休館
12:00~19:00(最終日~17:00まで)

●展示概要
〈モザージュ〉と名づけた、独自のモザイク+コラージュの技法で制作した、油彩画と立体オブジェ。

 2003年の個展から九年。この間、立体オブジェ<怪獣シリージ>の延長線上で、ハンダを使った「戦争機械I」「戦争機械II」、「Atomic Angel」「Atomic Tiger」などの作品を制作していました。
 また、手作りの木枠に電子基板や珊瑚や貝、タイルや布、フィギュアなど、さまざまなものをコラージュし、油彩した作品も作りはじめました。
 そして昨年の震災、原子力発電所の事故を経て、「膨大な破壊されてゆくもの」という長い詩を書いたのです。
   膨大な破壊されてゆくもの
からだの奥で 地上で 空の遠くで

宇宙に充満しているという
暗黒物質がこごって降り下りる黒い雨
わたしたちのDNAや神経繊維や
微少な伝達物質でなりたっている意識、こころが
見えない雨のなかで変容してゆく

         (略)
    わたしのからだの果てで
無数の記憶が相乗し
その膨大な点滅をのせて
わたしという船は乗り継ぎ乗り継ぎ
忘却と破壊の黒い海を進んでゆく
 (「膨大な破壊されてゆくもの」より部分抜粋)
 今回、とつぜん恵まれた個展のテーマを考えたとき、必然のように浮かんできたのは、「膨大な〈消滅〉してゆくもの」というタイトルでした。
 2001年9月以降、世界はより対立し混迷し、人や自然を傷つける火花の止むことはありません。この国でもたいへんな災害、事故に直面し、経済優先社会への疑問もわきあがってきました。
 自己の創造、表現活動を、安易にそれらに結びつけたくはありませんが、このささやかな個展が、いまこの世界で生きるわたしたちにとって、ひとつの小さなよすがになってくれたら……と願います。

●作家プロフィール

宮内喜美子(みやうちきみこ)
東京生まれ。
著書に、詩集「わたしはどこにも行きはしない」(思潮社)
「マー・ガンガー 死ぬのはこわいだろうか」(めるくまーる)
エッセイ集「わたしの息子はニューヨーカー」(集英社)
2003年 立体オブジェと絵画による個展「怪獣ルネサンス」(ギャラリー1/F)
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