江平 龍宣 写真展『これからも』
●日時
2014年4月15日(火)~4月21日(月)
12:00~19:00(最終日~17:00まで)
●展示概要
2011年3月、大きな衝撃を受けた東日本大震災直後、写真を撮りに行かなければならない想いに駆られて、東北に向かった。そこには、現実とは思えない圧倒される光景が広がっていた。津波によって一面が瓦礫に埋め尽くされた場所、地盤沈下によって海の一部になった場所、原発事故により避難しなければならなかった場所、多くの人たちの住処は奪われていた。
あの震災から3年が過ぎ、僕は当たり前のように福島(特に いわき)に通っている。
震災が起こる迄は通過するだけだったというのに。
目につく物や捉える物は、津波によって破壊された地域や、原発事故により影響を受けている地域。
ただそのうちに、震災の前はどうだったんだろうかと思うようになっていた。それは時間が経過していくうちに日常が見えてきたからでもあり、知り合いができていったからでもあった。
地震、津波、原発事故。これらの災害に見舞われた福島。
けれど、そこに暮らす人たちの生活は、続いている。
震災があっても、なくても。
きっと綺麗だったんだろうと思う海岸線、人と人とが団欒を持っていたんだろうと思う基礎だけとなった町並み。原発の放射性物質が飛散する前は豊かな恵みを享受していた自然。 そしてそれらを基盤にして営む人々。
目の前に広がる現実に触れる内に、そこにいる人たちの暮らしが、僕の日常に馴染んでいった。
きっかけは、被災地を撮りに行くことだった。
けれど、時と共に、どこか遠くの被災地という感覚から、より身近な感覚になり始めている。
今まで、知らなかった福島。
でも、身近に感じる今。その溝を埋めるように撮り続けたい。
そして、まだ見たことのない福島を探し、触れていきたい
これからも。
●作家プロフィール
江平 龍宣(エヒラ タツノリ)
フォトグラファー
1976年 東京都生まれ
2003年 日本写真芸術専門学校卒業
. 同年より㈲パールクイーンにて
. ブライダルフォト等の商業写真を撮影。
2010年9月 フリーカメラマンとなる
2009年 3月号 岩波書店「世界」公募 『Bharat』掲載
2011年 7月発売 旬報社「希望」 高田昌幸編 家族の章グラビア掲載
2011年8月 Gallery216 江平龍宣・冨永晋 東日本大震災写真展
2011年 第12回 上野彦馬賞 日本写真芸術学会奨励賞受賞
2012年12月 キチジョウジギャラリー ベトナム写真展 from 4 eyes
2013年6月 キチジョウジギャラリー 「Bharat」
●作家ホームページ
http://www.tatsunoriehira.com