吉祥寺・井の頭公園の貸しギャラリー

江平龍宣 写真展「これからも」

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●日時
2018年6月19日(火)~6月25日(月)
12:00~19:00(最終日17:00まで)

 

●展示概要

「これからも」

2011年3月11日宮城県沖を震源とする大震災が発生した。巨大な地震に衝撃を受け、私は福島県浜通りに向かった。
そこには、現実とは思えない景色が広がっていた。津波によって一面が瓦礫に埋め尽くされ、地盤が沈下し建物は損壊していた。そして多くの人たちが原発事故により避難を余儀なくされていた。
それから毎年撮影を続けるうちに被災した景色に慣れていく自分がいた。
しかし、被災地の時間の経過の中で知り合いができ、日常を垣間見る時が生まれると、震災の前はどうだったのだろうかと思うようになっていった。
そして今まで当たり前に見ていた景色を再び異様に感じるようなった。
2013年に時の経過の中で私はいわきの女性と出会い、その後を結婚した。
震災直後から通い続けた福島は、「被災地」から妻の地元・義父母の暮らす土地になった。
妻の実家には家庭菜園というには大きすぎる畑と田んぼがある。
2013年11月両親は地域住民の高齢化や担い手の不足で放棄された近所の畑と田んぼを借り、農地拡大を進めた。放射能の影響がどれ程あるのか、未知の中で農業をすることには不安がないわけではなかっただろう。しかし昔から続く土を耕し、種をまき、作物を育て収穫をする農業を守り続けていきたかったという。
以前の様な自然の恵みを享受することは、できなくなってしまったが、地域の人と助け合いくらす姿は今も変化をしながら続いている。

2016年11月22日福島県沖で再び地震があった。いわきを訪れていた私は、朝突き上げるような地震に叩き起こされた。サイレンの音が鳴り響き、津波警報が発令された。
私が海岸線に向かうと、線路が高くなっている場所で海を見る人達に会った。「来てたの?」と地域の人が話しかけてくる。大きな津波にはならなさそうだと話しながらも、そこから皆帰ろうとしない。6年近い時が過ぎたが、あの時のことが脳裏から離れないのだと感じた。
元には戻らない。

7年が経ち以前とは違うことに違和感を感じながらも、昔から続く営みを大切にすることは、故郷を守り、これからもこの地を耕し生きていくことなのだと感じた。
わたしはこれからもその姿を写真に収め続けていかなければと思った。

 

●作家プロフィール
江平 龍宣
写真家

1976年東京生まれ
2003年日本写真芸術専門学校卒業
同年より㈲パールクイーンにて
ブライダルフォト等の商業写真を撮影する。
2010年9月フリーランスとなる。

2009年3月号 岩波書店「世界」公募掲載
2011年第12回上野彦馬賞 日本写真芸術学会奨励賞受賞
2016年第17回上野彦馬賞 入選
2017年8月号 岩波書店「世界」公募掲載

- 個展 -
2013年6月「Bharat」キチジョウジギャラリー
2014年から毎年 『これからも』 キチジョウジギャラリー

- グループ展 -
2011年8月江平龍宣・冨永晋 東日本大震災写真展Gallery216
2011年11月より 上野彦馬賞写真展 東京都写真美術館他5ヶ所
2012年12月ベトナム写真「from 4 eyes」 キチジョウジギャラリー
2015~2016年 DocArtPHOTO Exhibition 01~03
キチジョウジギャラリー、Art Space 色空、be京都
2016年11月より 上野彦馬賞写真展 東京都写真美術館他5ヶ所

 

●作家ホームページ
http://www.tatsunoriehira.com

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